Acoustic Guitar World
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ギタリストインタビュー〜okapi
パワフルなタッピングと耳に残るメロディが印象的なギタリストokapi。素晴らしいリズム感でファンキーでありつつ、とてもポップでメロディアスな音楽はとても聴き心地がよい。幅広いジャンルからの影響を感じさせるギタリストの背景や音楽に対する考え方、活動状況をお話いただきました。

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「知ってるモノ」と「知ってるモノ」を掛け合わせて、「新しい別のモノ」を作っているということです


ーギターだけでなく、ヴァイオリンも弾かれてましたが、音楽を始めたきっかけはどのようなことでしょうか。

okapi:3才頃からヴァイオリンを弾いていました。兄が習っていたのですが、それを見ていた僕に親が、これをやりたい?と聞いたら、やりたいと答えたそうです。覚えてないですが、やらされてたようですね(笑)。

ーヴァイオリンはずっと続けていたのでしょうか。

okapiokapi:はい。ヴァイオリンは受験をきっかけにやめたのですが、それが18歳の時です。
17歳の時に高校のクラスでパンク、メロコア(メロディック・ハードコア)が流行っていて、多感な時期で人気者になりたかった僕はエレキギターを始めました。だからヴァイオリンと1年くらい時期が重なってましたね。まあエレキギターをやっても、結果的に人気者にはなりませんでしたが(笑)。
この頃はアコギは全く弾いていませんでした。弦は固いしネックは太いし、Fとか押えられないし、世の中のアコギは全部折れてしまえばいいとすら思ってました(笑)。
大学に入ってからジャズコードが入ったクリーントーンとディストーションのメリハリのある音楽にハマり、段々とクリーントーンが好きになり、アコギの音も好きになってきました。そんな中、大学3年生の時に、叔父が車の中でかけていたチェット・アトキンス、また押尾コータローさんの曲に衝撃を受け、とても一人で弾いているように聴こえず、難しいアコギをこれだけ弾けるというのはすごいと思い、それがアコギを始めるきっかけになりました。

ーアコギは最初からソロギターのスタイルで始めたのでしょうか。

okapi:はい。それまではポップスやアコギの弾き語りが好きではなかったので、ソロギターのスタイルから始めました。ソロギターを始めてからだんだんとポップスが好きになってきて、今ではかなりポップスも聴くようになりました。音楽の嗜好の幅は相当広がったと思います。

-アコギを始める前まではロックがずっと好きだったのでしょうか。

okapi:はい。当時は「the band apart」というバンドがすごく好きで、大学の時はギター・ヴォーカルをやってました(笑)。今では考えられないですね。一回好きになったらそれしか見えないくらいになるので、コピーばかりしていました。

ーそれほどのロック好きからチェットや押尾さんのような音楽を好きになり、どのようにアコギを始めたのでしょうか。

okapi:すごい、と思った次の日にリサイクルショップで3000円くらいのアコギを購入しました。なんか知らないメーカーエンブレムの上にさらに知らない謎のステッカーが貼ってある奇妙なギターでしたね(笑)。でも、最初はギターを叩くとか全くわからなかったので、譜面を購入し、譜面に書いてある記号や、DVDを見て叩き方、技術を学びました。その後から僕は耳コピが得意だったので、色んな曲を耳コピをし、そのうちいろいろなギタリストを知るようになり、その技術を勉強していきました。楽しかったですね。

ーヴァイオリンを幼少の頃から長くやっていたので耳が良いようですね。

okapi:小さい頃からやっていたのは大きいのでしょうね。一応絶対音感らしいのですが、家のピアノの調律に慣れてしまっているとか、小さい時は音楽を真面目にやってなかったので(笑)、風邪をひくと半音下がったりします。これを絶対音感といってよいかわからないのですが(笑)。練習は嫌でしたが、ヴァイオリンを習えたことには感謝をしています。

ーヴァイオリンの演奏だけでなく、音楽の素養を身につけることができたようですね。

okapi:そうですね、でも実は鍵盤だけはいくらやっても弾けませんでした。なぜだか弦楽器でないとダメなようですね。ベースはやってみてよかったですから。チェロやコントラバスが手元にあったらそっちにもいっていたかもしれません。弦楽器以外では、最近はパーカッションが好きで、すごく練習しています。これも楽しいです。

アコギではたくさんコピーをしましたが、割とすぐに曲を作り始めました。大学では音楽系のサークルに所属していたのですが、毎年サークルとしてのCDを作るというのがありました。1,2年の時はエレキギターでバンドをしていましたが、3年生の時はアコギを始めていましたので、アコギでの初めての作曲でした。あと2日でレコーディング・・という時にまだ曲ができておらず、焦りながら何とか前日に曲を作り、無理くり録音しました。この曲は公開していません(笑)。もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、omoideという曲です。そして2曲目に作ったのが、「Anger」です。

ー「Anger」はそんなに初期の作品だったのですね。

okapi:そうですね。大学の校舎の屋上で友達と一緒にギターを弾いてた時に出来ました。ただタイトルが全然決まらなかったので、考えあぐねた結果、近くの自動販売機にあった「イチゴミルク」を見て、「とりあえずイチゴミルクでいっか」とつけてしまいました(笑)。当時の友人たちは「イチゴミルク」でわかると思います(笑)最終的には理不尽なことに対する憤りということで、「Anger」としました。実は9年くらい前の古い曲なんです。

ー当時押尾コータローさんは流行っていたと思いますが、押尾さんともテイストが違う曲だと思います。その頃こういった曲を作ったというのは素晴らしいですね。どういった音楽から影響を受けたのでしょう。

okapi:何でしょうね、音楽とはちょっと違うんですが、大学の時に学んだことで印象的だったのが、デザイン工学の授業だったと思うんですが、デザイナーがどのように新しいものを作るのかという授業でした。「人間は知らないものは想像できない」という前提のもと、「知ってるモノ」と「知ってるモノ」を掛け合わせて、「新しい別のモノ」を作っているということです。例えば「トイレ」と「アヒル」を掛け合わせて「オマル」になるとかですね。変な話ですみません(笑)。でもオマルが世に出るまでは誰も想像できなかったものだと思います。それを聞いた時に、音楽も似てるなと思いました。新しい曲を作るときも、自分の中の色んな引き出しから少しずつ出ているものではないかと思います。音楽であれば、どれだけ聴いてきたかで変わるのではないかと。僕は小さいころはクラシック、途中からメロコア、ジャズ、ロック、メタルなどいろいろなジャンルを聴いてきました。総合的にはポップスが好きな傾向ですので、マニアックなことを入れつつ、サビはキャッチーにするようにしてみたり。そこで気付いたらできていたのが「Anger」です。ですのでどういう音楽から影響を受けたかと言えば、先ほど挙げたかなり広い範囲の音楽から影響を受けたと思います。
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【アルバム】
after the dusk
after the dusk

1.anger
2.stand alone
3.tegami
4.the sign
5.to be
6.kirisame(featuring ~Takeshi Sakasegawa)
7.kurogane
8.anger(2013 band ver.)

2013年7月3日発売

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Tower Record


Sakigake

sakigake

1. 魁〜Sakigake〜
2. moon stone
3. PUZZLE

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Sakigake TAB譜集
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風車 ハマルスピカ風車
2014.6.6リリース
ハマルスピカインストルメンタル1st Album
1,800円

1. 颱風 
2. hayate 
3. 時の風 
4. いにしえ 
5. sengoku 
6. 夜の終わりに

okapi http://okapi-music.com/

1984年神奈川県生まれ
3才からヴァイオリンを習い始め、5才から名倉淑子に師事。
17才からエレキギターを始める。
21才の時にチェット・アトキンス、押尾コータローなどの楽曲を聴き、アコースティックギターに転向。
2006年新星堂主催のオーディション「CHANCE!06」で、ベストギタリスト賞を受賞 。
2007年NHK北見放送局の天気予報のBGMに自身の楽曲3曲が使用される。
2009年、ピアニスト上村叶恵とhamalspica(ハマルスピカ)を結成 。
2012年3曲入りCD「Sakigake」にてデビュー。
2013年フルアルバム「after the dusk」リリース。
2014年ハマルスピカのファーストアルバム 「風車 ~kaza-guruma~」リリース。

プロフィールの詳細はこちら→http://okapi-music.com/profile/