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ギタリストインタビュー〜伍々慧
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ー今回アレンジした昔の曲は、新しいアレンジで今後もライブで弾き続けていくのでしょうか。

伍々:うーん、どうでしょうね(笑)。今回このアルバムのCDの製造枚数を限定しています。これまでのCDは在庫がなくなったら再プレスしていましたが、今回は売り切れたら終わりです。アレンジしたとはいえ、10代の頃に作った曲よりかはこれから出来てくる音楽を聴いてほしいとやっぱり思いますので、ライブでは新し目の曲がどうしても多くなりますね。たまに古い曲もライブで弾くと思いますが。

経験を積めば技量も向上するし、音楽性も変わるべきだと思っています。極端な話、僕が60才になっても現役で演奏しているとしたら、爽やかで元気で明るくて、みたいな曲ばかり演奏するのは、僕の人間性からするとかなり違和感があると自分で思います。年相応というと語弊があるかもしれませんが、年齢を重ねることによって変わっていくものを表現すべきだと、アーティストの端くれとして思っています。 自分の歩んできた人生や思考などが音に表れてきたら素晴らしいですよね。

ショーマンとしていつまでも変わらないその人のイメージがあって、魅了し続けるのも大変価値があることだと思いますが、僕はそういう世界で生きていないし、生きる気もない、なりたくてもなれないので、変化を含めた自分の軌跡や価値観を表現していきたいし、聴いてもらいたいです。その中で自分の中の「普遍性」みたいなものがよりくっきり見えて来たり、磨かれていって、それが「個性」やその人の音楽となるんだと思っています。
完璧と思って出したものが人間らしさが無いとか、うまいけれども面白みが無いとか、いろいろな音楽を聴いてみて思うところはあります。人それぞれ感じ方が違いますが、だからこそ自分が本当に弾きたいことが常に何なのかを感じながら作って、ライブ、CD、ネットなどで表現し続けるということがアーティストとしては大事だと思います。

伍々慧ー年々進化、変化していくのが自然なんですね。

伍々:そう思ってやってきました。最近思うのは、何をもって進化・進歩していると思えるのか、活動の場が広がっていると思えるのか、知名度が上がってきていると思えるのか、どこを見たらわかるのか?ということです。今ならSNSやYoutubeなど数字でわかるツール・サービスがたくさんあるので、それも一つだと思いますが、そういうものを見ないけれどもライブに来ていただけるファンの方もたくさんいます。
ネットで人気が出るのは今時っぽくていいと思うし、そこで火がつくというのも魅力はありますが、実際のコンサートやライブなどに来てくれた方の反応や声援などは普遍だと思うので、大切にしていきたいですね。
それだけではなく、やっている側はもっと価値観を広げるべきものだと思いますし、ネットでしか情報を得ていない人にも、違う価値観があることを伝えていかないと、より狭い世界になってしまうのではないかと思っています。
つまり、やっぱり音楽や芸術は生で体感するとしないのとでは、理解や楽しみ方が全然違うということです。その辺りを知らない人って、思っていたより結構増えている、というかたくさんいらっしゃるようで驚いています。
進化していく、進歩していくというのは言葉にすると単純で力強い言葉ですが、その為にも、自分が何を表現したいのか常にはっきり持っておきたいですね。

ー今後の活動予定を教えてもらえますか。

伍々:一ヶ月くらいの中国ツアーがあり、その後日本でいろいろなところに回らせてもらいます。マレーシアにも行く予定です。来年は同じスタンスでライブを続けていくか、本数を減らして規模を大きくするか、製作中心にするかいろいろと考えています。惰性にならないようにしたいですね。

ー中国の一ヶ月というのは長いですね。前はここまで長くなかったと思います。

伍々:これまでは長くても三週間弱くらいですね。7月末に北京でギターのフェスティバルがあり、コンテストも開催されます。コンサートとワークショップがあり、ペッテリ・サリオラやマイク・ドーズ、ロシアのAlexandr MISKOなど世界中からギタリストが集まります。8月からソロツアーで14箇所回ります。
国内は大阪、愛知、山口、広島、北海道、福岡、佐賀、神戸、福井、富山、東京を予定しています。

ー今回は10代の頃の曲をアレンジしたアルバムでしたが、オリジナルアルバムの予定などはありますか。

伍々:頓挫しているカヴァーアルバムを形にしたいとは思っていますが、オリジナル曲もできているのでこちらも作りたいと思っています。この数年アルバムのリリースが多かったので、これまで作った楽曲をもっと聴いてもらおうという活動をすべきとも思っています。そうしながら新しい楽曲を煮詰めて完成度を高くしてアルバムにしようかなどいろいろ考えています。できる限り自分に正直な作品にしたいと思います。

ー最後にギターファンにメッセージをお願います。

伍々:できるだけインターネットなどだけではなく、生で演奏を聴いてほしいと思っています。そこでしか感じられないことがたくさんあると思います。まだ行ったことがない街もあり、できるだけ行けるようにがんばるので、ぜひ一度ライブに来ていただきたいと思います。あと、ニューアルバム「Remembering」をぜひ聴いてください。

【2018年7月東京にて】


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伍々慧 http://www.gogosatoshi.com/

1988年大阪生まれ。
Finger Picking Day 2004にて、15才で最優秀賞を獲得。
2005年1stミニアルバム「melody」リリース。
クラシックギターおよび楽典・ソルフェージュ等を古川忠義氏に師事、音楽を基礎から学ぶ。
2006年2ndミニアルバム「COLORS」リリース。
CHAGE and ASKA , 佐藤竹善氏, 南こうせつ氏らのレコーディングに参加。
20歳から2年間ほどジャズギターを馬淵昌宏氏に師事。
2010年ウクレレ奏者新納悠記氏とニーノアンドゴーゴーを結成。
2011年初のフルアルバム「SONGS IN POCKET」をリリース。
2013年には、全世界規模の作曲家のコンペティション、"International Songwriting Competition 2013"でInstrumentalカテゴリのセミファイナリストに選出。
2ndアルバム「Bedtime Story」リリース。
2015年3rdアルバム「My Bluebird」リリース。
2017年4thアルバム「Shipmates」リリース。
日本各地で演奏活動を展開、また大阪で自主企画のホールリサイタルは毎回チケットが完売し、好評を博す。
近年は日本だけにとどまらず、台湾・韓国・中国でも毎年単独ホールツアー敢行・CDや楽譜集も発売され、精力的に活動。またアメリカ・イギリス・フィンランド・スウェーデン・オーストラリアなどでも演奏活動も展開し、少しずつ・確実にその音楽と名は世界に広がっている。
Remembering
Remembering
2018年7月1日発売
販売価格:2,500円

1.Remembering
2.Evergreen
3.太陽(The Sun)
4.なきむし(When You Cry)
5. ウキウキ(Uki Uki)
6.お月さま(Mr.Moon)
7.Remember You
8. Ambition
9. ほしなき(Hoshinaki)
10. またあした(Sunset Color Blues)

販売サイト https://www.gogosatoshi.com/product-page/remembering







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