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ギタリストインタビュー〜木村大
弱冠14才で東京国際ギターコンクールで優勝、17才でCDデビュー、クラシックギタリスととしてレコーディング、コンサート活動を続け、クラシックの枠に捉われない選曲、作曲も行っている木村大さんに、幼少の頃の活動から近年の活動まで幅広くお話をしていただきました。

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中学校3年間で優勝できるように逆算して、曲選びやトレーニングを積み重ねた結果です

木村大
ーギターを始めたきっかけを教えていただけますか。

木村大(以下、木村):父がギターの先生をしていたので、物心つく前からギターをさわっていました。3,4才の頃は小さなギターを使っていたと思いますが、5才頃から本格的に練習を毎日するようになりました。俗にいう英才教育のような感じです。

ーその頃は純粋なクラシックギターだったのでしょうか。

木村:純粋も純粋です。僕の中ではギターといえばクラシックギターと思っていました。これが王道だと思って弾いていましたね。子供の頃はギターの練習を毎日するのが苦ではなかったのですが、友達にはクラシックギターをやっていることを言えなくなっていました。ロックやエレキギターを弾いているというのとは少し違うのだろうという認識があり、「クラシック」というものが、友達にどう思われてしまうのか不安でした。町内の小学生の発表会で演奏することがあったのですが、みんな不思議そうに首をかしげて帰りました(笑)。やはりよくわからないんですよね。そういうジレンマはありましたが、練習は嫌ではなかったです。小学校低学年の頃は父が先生で毎日40分~1時間くらい必ず見てもらって、その後に自分で1時間くらい練習をしていました。

ークラシック以外の音楽も好きになっていったようですが、練習はクラシックギターのみの練習だったのでしょうか。

木村:そうですね。父の主宰しているギター教室にはいろいろな大人の人が出入りしていて、ロビーでは雑談もしていました。その時に若い人たちは元々はクラシックギターではなくエレキギターを弾いていて、クラシックギターの技術を学ぶことでエレキギターを上達させたいという人がいました。彼らからロックのCDを借りて、ロックを好きになっていきました。最初はメタリカなどのヘヴィメタから入って、もっと古いロックも聴くようになりました。小学校高学年から中学生の頃はロックばかり聴いていましたね。でも、趣味がロックで、ギターの練習はクラシックだけでした。

ーその頃はエレキギターを弾いてみたいと思わなかったのでしょうか。

木村:友人たちのエレキギターをさわってみたのですが、当時は肌に合わなかったんですね。スティール弦とナイロン弦は全然違って違和感があるし、感動しなかったんです。クラシックギターの銘器というのは音を出すと感動するのですが、いろいろなエレキギターを弾いても全然ときめかないんです。僕はエレキギターには惚れないんだなと思いました。練習をしたいとも思えなかったですね。


ー音楽として聴くのは好きでも、演奏する側には向いていなかったんですね。

木村:そうですね。クラシックギターという楽器を小さい頃から弾いていると、スティール弦のギターを弾くということがタブーではないですが、弾けなくなってしまう精神が根付いてしまっていた気がします。 今ではピックを使わないスティール弦のギタリストも増えましたけど、当時はピックで弾かなければいけない、という感じもありました。


ー当時からエレキやアコースティックギターのインストや指弾きというのはあったとは思いますが、一般的には広まっていなかったかもしれません。

木村:今思えば、アコースティックギターに早くから触れておけば楽しかったと思います(笑)。クラシックギターという楽器を持つことは柱として大事ですが、いろいろなギターで表現できるのであればもっと前から触れていればと、今になって思います。クラシックギターの世界ではアコースティックギターを持つということが無いですからね。閉鎖されているというよりは、それが当たり前なんです。僕もその中で何の違和感もなくクラシックギターで演奏していました。

ー幼少の頃からの英才教育で、クラシックギターの大きなコンクールである東京国際ギターコンクールで見事優勝されました。まだ中学生でしたでしょうか。

木村:はい。14才の中学生です。

ー最近は日本人の優勝も滅多にないので、14才での優勝というのは本当にすごいと思います。

木村:当時も日本人の優勝は少なかったですね。村治佳織さんが優勝するまではあまりいなかったと思います。僕が優勝した後に村治奏一くんが優勝してますね。僕たちが優勝する前はほとんどいなくて、その後に少しずつ優勝者が出てきています。そういう意味では日本のギタリストのレベルというのは上がってきていると思います。

ーその他にコンクールは出場されていたのでしょうか。

木村:GLC学生ギターコンクールですね。小学生の時の毎年の目標でした。GLC賞という全体の中での最優秀賞があるのですが、それを早く獲りたかったんです。GLC賞をもらってこのコンクールは卒業して、一般のコンクールに出るということを考えていました。それで東京国際コンクールに出場をしたのですが、最初は2次予選で落選しました。完璧な演奏だったのになんでだろうと思っていたら、後から聞いいた話では若いから通過できなかったと(笑)。他にはスペインギターコンクールでも優勝できました。
やはり僕らには東京国際というのが大きな目標で、父とは中学生のうちに優勝できたらいいね、と話していました。なので中学校3年間で優勝できるように逆算して、曲選びやトレーニングを積み重ねた結果です。うまく行きすぎた気もしますが(笑)。

ー目標が明確だったのですね。

木村:とても明確でした。東京国際で優勝してプロになるというのが目標でした。子供の頃は目標が無いと続けるのは難しいですね。スポーツ選手なら大会が毎年あったりして、それを目標にしていると思います。

ー東京国際の出場というのは中学生から可能なのでしょうか。

木村:いえ、0才から出場できます(笑)。年齢制限は無いですね。テープ審査に通れば年齢は関係無いです。

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木村大

http://www.kimuradai.com/

1982年、茨城県土浦市に生まれ。
5歳より父、義輝に師事、ギターと音楽理論を学ぶ。
小学1年で第13回GLC全国学生ギターコンクール小学校低学年の部優勝。
1996年、ギターのコンクールでは世界最高水準と言われる第39回東京国際ギターコンクールで見事14歳で優勝。
1999年、17歳でソニーより「カデンツァー17」でCDデビュー。
2002年4月より英国王立音楽院に留学、2004年帰国。
2013年キングレコードに移籍、第一弾アルバム「HERO」発売。
2014年アルバム「ONE」発売。

プロフィールの詳細→http://www.kimuradai.com/about/profile.html


「ONE」
ONE

発売時期:2014年5月21日
発売元:キングレコード
販売価格:3,000円+税


01.Nuovo Cinema Paradiso ニュー・シネマ・パラダイス
 (Ennio Morricone – Andrea Morricone)
02.Blackbird ブラックバード
 (John Lennon – Paul McCartney)
03.La Isla Bonita ラ・イスラ・ボニータ~美しき島
 (Madonna – Bruce Gaitsch – Patrick Leonard)
04.Don’t Know Why ドント・ノウ・ホワイ
 (Jesse Harris)
05.My Favorite Things マイ・フェイヴァリット・シングス
 (Richard Rodgers – Oscar Hammerstein Ⅱ)
06.Wonderful Tonight ワンダフル・トゥナイト
 (Eric Clapton)
07.Shape Of My Heart シェイプ・オブ・マイ・ハート
 (Sting – Dominic Miller)
08.tune チューン
 (Dai Kimura)
09.Levanter レヴァンタール
 (Dai Kimura)
10.Someone Like You サムワン・ライク・ユー
 (Adele – Daniel Dodd Wilson)
11.When You Wish Upon A Star 星に願いを
 (Leigh Harline – Ned Washington)

[Guest Musicians]
沖 仁  (Flamenco Guitar) *M3,9 by the courtesy of Victor Entertainment
ホセ・コロン (Percussion) *M3,9
JAH-RAH (Drums,Percussion) *M5,7

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「HERO」HERO

発売時期:2013年3月21日
発売元:キングレコード
販売価格:2,900円+税


01.Ayers Rock エアーズ・ロック 
 (木村 大)
02.SPANISH FLY スパニッシュ・フライ
 (VAN HALEN)
03.PURPLE HAZE 紫の煙
 (JIMI HENDRIX)
04.FRAGILE フラジャイル
 (STING)
05.DEE ディー
 (RANDY RHOADS[OZZY OSBOURNE])
06.INSPIRATION インスピレーション
 (GIPSY KINGS)
07.LOVIN’YOU ラヴィン・ユー
 (MINNIE RIPERTON)
08.BRON-Y-AUR ブロンイアー
 (LED ZEPPELIN)
09.CHANGE THE WORLD チェンジ・ザ・ワールド
 (ERIC CLAPTON)
10.BECK’S BOLERO ベックス・ボレロ
 (JEFF BECK)
11.THE SAGE 賢人
 (EMERSON,LAKE & PALMER)
12.earth アース
 (木村 大)

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