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ギタリストインタビュー〜つるみまさや
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ー最初にフィンガー・ピッキング・デイに出場してから7年経過していますが、音楽の変化などはありますか。

つるみ:音楽というよりは、環境や精神的な変化が大きかったです。ギターを弾く時間は短くなりましたが、師匠の教えではギターを弾いてない時間が自分の音楽の感性を磨く時間なので、些細な出来事が自分の音楽にどう関わってくるか気にしながら生活すればいいと言われて、その通りだと思いました。2011年の時は朝から晩まで弾いていましたね。学生だったので1日8,9時間くらい平気で弾いてました。でもその時に無い音が今は出ているということは、自分が年齢を重ねていい方向に向かっていると思います。

ー技術の変化はありますか。

つるみ:右手のタッチですね。僕が音楽をやる上で一番大事だと思っているのはメロディで、そのメロディをいかに届かせるかを考えると、アポヤンド奏法を使ったり、和音を最低限にしたりします。誰かに届くための奏法として、今まで作った技術的なものを作り直しました。
今年は「Fly Me To The Moon」をカヴァーで演奏しました。この曲は4,5年前に形は出来上がっていましたが、メロディを前に出すとか和音を最低限に減らすとか、そういった作業を今回のコンテスト出場にあたって、再度構築しました。伝わり方はかなり違うと思います。ちなみに今回の「Fly Me To The Moon」のアレンジはピアニストのオスカー・ピーターソンの演奏を聴いて和音の積み立て方を考えました。

ー2016年の出場時は、どのような心境で臨んだのでしょうか。

つるみ:もう一度ギターに力をもらいたいと思い、出場しました。私生活でうまくいかないことが多く、ギターに立ち返る気持ちでしたが、思ったような結果は得られませんでした。それがあったからこそ、今回賞が獲れたのかもしれません。

ーコンテストが終わった直後の満足感というのは、2016年の方があったのでしょうか。

つるみ:そうですね。今思えば独りよがりの満足感でした。フィンガー・ピッキング・デイに申し込みをしてから10年、師匠に付いてからも10年で、いい恩返しになったと思います。
幼少の頃から腎臓が悪く、ギターを始めたきっかけでもあるのですが、運動制限があったんです。外で友達と遊ぶこともできず家にこもっていることが多かったので、やることを探していたらギターがあありました。9才頃から始めたので、ギターを始めて20年になります。ここまでギターを続けられるとは思わなかったので、すごい出会いですね。
2011年のコンテストの後に父親から移植手術で腎臓をもらい、この時から運動制限や食事制限がなくなりました。今回の優勝というのは、腎臓をくれた父親にも感謝しているので、すぐにメールしました。これがなかったら、ここまで出来なかったですね。
人と違う生活をしていましたが、インストゥルメンタルではそういったことも出てくるのかと思います。優勝のコメントでも言ったのですが、インストゥメンタルというのはその人の人生、生き様が写し出される鏡のようなものだと思っているので、自分が今まで辛く長く苦しい時間を過ごしたことが、表現の一つとして何らかの形で伝わった結果だったらいいなと思っていて、評価されたことに感謝しています。 最近は演奏活動をあまりやってませんでしたが、賞をいただき評価していただきましたので、今までは僕が感動をもらっていた立場だったのですが、人に伝えていくことが宿命かもしれないと思ってきたので、いろいろな所に行っていろいろな場所で、いろいろな人に少しでも自分の人生を伝えられたらと思います。少しずつ演奏の機会を増やしていきたいですね。

ー体が悪くてもギターを続けられるという励みにもなりそうですね。

つるみ:障害を持つ音楽コンテストとうのもあります。2017年にそこで演奏賞をいただいています。これは歌からドラム、弾き語り、バンドなどいろいろな演奏がありました。


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プロフィール

つるみまさや http://tsuruya1116.web.fc2.com/index.html

愛知県生まれ。
2009年よりギタリスト竹内いちろ氏に師事。
2011年 フィンガーピッキングデイに出場、優秀賞、葉山ムーンスタジオ賞(オーディエンス賞)、アコースティックギターマガジン賞を獲得。
2016年 フィンガーピッキングデイに出場、TABギタースクール賞獲得。
2018年 フィンガーピッキングデイに出場、最優秀賞、葉山ムーンスタジオ賞(オーディエンス賞)、楽曲賞、アレンジ賞、アコースティックギターマガジン賞と五冠獲得。









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