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ギタリストインタビュー〜さらさ
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ー使用しているギターを教えてもらえますか。

森川:今年の1月からMatonのカスタムギターを使っています。

ートミー・エマニュエルの影響が大きいのでしょうか。

森川:それもありますが、エレアコとして完成されていて、そのまま直での音がいいです。トミー・エマニュエルから「ニッシー」と呼ばれるミスターハイブリッドピッキングの西山隆行さんがMatonを買うならカスタムオーダーの方がよいと言われました。そこで「さらさ」に借金をして購入しました。
「さらさ」での活動の収入は全て「さらさ」に入りまして、僕らはそこからお給料をもらってるんです。この「さらさバンク」からお金をお借りしまして、今必死に返済しています。
レコーディング用にもう1本ありましす。岐阜にLeaf Instruments(http://leaf-instruments.jimdo.com/)という工房の若い製作家がいまして、彼と縁があって家に泊まりにいったのがいけなかったですね(笑)。ギターを見せてもらったら作りが丁寧で音色がとてもきれいで、Machikoさんもこれはいいのではないかということで、「さらさ」からプレゼントしてもらいました。
僕がフィンガーピッキングデイで優秀賞、オーディエンス賞をいただき、アコースティックギターマガジンのフィンガースタイリストというコーナーにも出させてもらい、そのお祝いということでオーダーしてもらいました。MatonとLeaf Instrumentsが同時に手元にきまして、とても充実しています。 Leaf Instrumentsはレコーディング用で穴をあけたくないです(笑)。
さらさ
ーアルバムも多くリリースしていますね。

森川:はい、毎年1枚作っています。オリジナルもどんどん作っていますね。今年の5月に6枚目のアルバム「ちいさなしあわせ」をリリースしました。広島交響楽団で活動されているヴァイオリンの盛田恵さんと3人で作っています。

ーヴァイオリンが入るのは初めてでしょうか。

森川:はい、他の人と一緒にアルバムを作るのが初めてです。演奏は今までもやったことがありますが、CDとして製作するのは初めてです。去年「ひととせ」というアルバムを作り、今年はどうしようかと話をした時に、製作期間も短いので今年は無理かな、といった中で、ヴァイオリンの盛田さんからCDを作りたいのでプロデュースをしてくれないかという話が出てきました。それならば一緒に作りませんか、という話になったんです。さらさの1,2枚目の曲をヴァイオリンを入れたヴァージョンにアレンジしたり、新曲も作り収録しました。

ーこれからも他の演奏者が入ったアルバムを製作していくのでしょうか。

Machiko:今回のアルバムはうまくいきましたが、やはり旋律楽器が入ると難しさはありますね。ヴァイオリンとギター、ハープがハモってもどうしてもヴァイオリンの方がたってしまいます。さらさとしては基本的にはギターとハープがセンターに立つもので、次のアルバムではバンドサウンドを作ってみたいという気持ちがあります。

森川:山弦さんが大好きで、ああいったバンドサウンドで軽快な曲を演奏したいですね。広島で天気予報やCMでオリジナル曲を使っていただいているのですが、番組の主題歌とかはないんです。派手さに欠けて、地味みたいなことを言われるんですね。それなら番組のオープニングとして提案できるサウンドを作るために、ドラム、ベースを入れたバージョンにしたいと思っています。

ーこれからの活動はどのような予定でしょうか。

森川:広島での活動が多いですが、県外のイベントにも呼んでいただけまして、秋に伊丹に行くのと、11月に全国ツアーをする予定です。
来年は海外に行くことを考えています。ギタリストのぷう吉さんが毎年12月〜1月にオーストラリアでバスキングをしているのですが、我々も行ってみようかと考えています。ぷう吉さんはさらさならきっと儲かるよ、と言うものですから(笑)。一度海外を経験してみたいと思います。

Machiko:どういう反応があるか楽しみですね。

ーオーストラリアはバスキングだけで食べていける人が多いようですね。

森川:シドニー市はバスキングを保護する制度があるようなので、最初はそういった所でやってみたいと思います。

ーソロギターはアジア各国で盛んになってますね。

森川:そのようですね。いつかそちらも行ってみたいと思います。

ーMachikoさんはハープで参考にしている音楽やルーツ的なものはあるのでしょうか。

Machiko:最初にハープでのアップテンポな曲で可能性を感じたのが、南米にアルパという爪で弾くハープがありまして、その奏者の上松美香さんという方がいます。ハープっぽいけれども音色が違い、ハープでこういうこともできるかもしれないということで、興味を持ちました。
最近はアイリッシュ音楽を好きになって、スコットランドにカトリオーナ・マッケイというハープ奏者がいまして、古典的なこともするし、前衛的なこともしています。ハープでギターのようなストロークもして、激しい弾き方もするんですね。そういったのも少しずつ取り入れていきたいと思います。

森川:最近ハープでストロークをやりたがるんですよ。ハープはギターとは逆に出てはいけない音を指を乗せてミュートするんです。やりたがるんですが、ここはギターで僕がやるからと(笑)。

Machiko:ソロをやる時に入れ替わりでできたらいいですね。

森川:DEPAPEPEみたいな感じですね。

Machiko:基本的に2本なので、ギターでソロをとるところでハープで伴奏のストロークができたらと思うのですが、僕がやるとなってしまいます(笑)。ハープで薄くやるのですが、低音がなくなってしまうんですね。ハープはドレミで並んでいるので、手でミュートするにも音域的に範囲が限られてしまって、ギターのように幅広い音域ではできないんです。徐々にやっていきたいと思います。

ーギターとハープの音色はとても相性がいいと思います。

森川:難しいところもあって、音域がほとんど同じなんです。音がぶつかって濁ってしまうこともあるので、その辺をオリジナルを作るときに注意しています。コード一つもきっちり合わせていかないといけません。

ー最後にメッセージをお願いします。

Machiko:ハープにできることできないこと、ギターにできることできないことがそれぞれあるのでカバーしつつ、ギターから出てくるフレーズをふられて、ハープでどうやろうかということで奏法が増えたり、いい刺激をもらっています。今後はストロークにご期待ください(笑)。

森川:ハープがストロークしなくてもいいようにループを買おうかなと(笑)。
さらさのホームページからCDを購入できます。さらさの公式Youtubeアカウント(https://www.youtube.com/channel/UCGQyGaRCC06KlOsvhjF-yAA)でCDの視聴ができて、全曲少しずつメドレーになってますので、ぜひご覧ください。
ソロギターも楽しいのですが、デュオの楽しさというのは二人だから倍ではなく、もっと何倍になるようなものだと思っています。結成8年ですがまだまだ進化していきますので、まずはYoutubeなどで気軽に見て貰えればと思います。

【2015年7月14日東京都内にて】


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さらさ

http://duosarasa.jp/

アコースティックギター 森川敏行
アイリッシュハープ Machiko
2008年2月結成。
アイリッシュハープの縦糸とアコースティックギターの横糸で織り上げた生地に、彩り豊かな絵を描くような音作りをコンセプトに結成。 オリジナル楽曲他、ポップスやアニメソング・映画音楽など、誰もが聴いたことのある曲を、それぞれの楽器の特性を活かしたアレンジをモットーに、演奏活動している。

プロフィールの詳細→http://duosarasa.jp/prof.html


「ちいさなしあわせ」
盛田恵&さらさ
ちいさなしあわせ

AI2S 007
発売時期:2015年5月
販売価格:2,500円(税込)

バイオリニスト・盛田恵とのコラボアルバム。
リアレンジした過去のさらさのオリジナル作品や、さらさの新曲、ゲストピアニスト・岡田ミサコとバイオリンデュオによるクラシック作品など、12トラックを収録。

1. ハイビスカス composed by Machiko
 青い海、白い雲、真っ赤なハイビスカス。
2. ちいさなしあわせ composed by Machiko
 道に咲く花、飛行機雲や虹を見た時のちょっとした幸せ。
3. もののけ姫 composed by 久石譲
 宮崎駿監督作品「もののけ姫」主題歌。
4. TRICK composed by さらさ
 技(Trick)を極める熱意。
5. スノードーム composed by さらさ
 雪が舞う、小さなガラスの中の世界。
6. オセロ composed by さらさ
 真剣勝負のオセロ。三つ巴ver.。
7. トロイメライ(夢) composed by Robert Schumann
 原曲はピアノ曲の「子供の情景」より第7曲。
 同じメロディが何度も出てくるが、楽しい夢や怖い夢など様々な表情に変化する。
8. カノン composed by Johann Pachelbel
 「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ」より第1曲。ピアノで4小節の伴奏が繰り返され(通奏低音)、3声のVnは全く同じメロディが2小節ずつずれて重ねて演奏される(カノン様式)。今回、3声全て盛田恵の演奏による多重録音で、それぞれ三者三様に弾き分けている。
9. Bellbird -ベルバード- composed by さらさ
 鈴(ベル)のようにティリリリと鳴く渡り鳥が報せを運んでくる。
10. 雨 composed by さらさ
 優しい雨、冷たい雨。その時々で感じ方の違う雨。
11. 帰り道 composed by 森川敏行
 いつか誰かと歩いた帰り道。
12. 星の町 composed by 森川敏行
 岡山県美星町の条例によって守られてきた美しい星空。
CDリスト








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