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伊藤賢一雑感コラム ギター路地裏


第34回 この一枚を聴く John Dowland 「Complete Lute Music」

アコースティック・ギター・ワールド読者の皆さまこんにちは!ギタリストの伊藤賢一です。
今回はイングランド、エリザベス朝後期の音楽家、ジョン・ダウランドのリュート音楽をご紹介します。

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ジョン・ダウランドは、16世紀後期から17世紀にかけてヨーロッパ各地で活躍した作曲家、及びリュート奏者です。
所謂宮廷音楽家として職を求めますが、地元英国ではなくヴェネチアやフィレンツェなどを渡り歩き、デンマーク王お抱えリュート奏者となった後英国に戻ってジェ ームス一世に仕えるようになります。

彼の遺した作品の多くは声楽曲とリュート曲になります。
通俗的なテーマの作品が多数を占め、宗教音楽の匂いがしないことがかえって普遍性を保っているように感じます。
彼の扱うテーマは嘆きを題材にしたものが目立ち、通称「ラクリメ(涙)のダウランド」と呼ばれていたほど、その泣きの旋律美が特徴です。

私がダウランドの名を知ったのは、ジョン・レンボーンのアルバム「レディ・アンド・ユニコーン」に収められたダウランド作「メランコリー・ガリアード」がきっかけでした。
哀愁のあるメロディに、ちょうど良い曲のサイズ感。数百年も前の曲とは思えないほど輝きがあってとても印象に残りました。

とはいえ、個人的にはダウランドの長調作品が非常にストライクです。有名な「ファンタジー」は撥弦楽器で演奏される楽曲の中でもベストを争う名品だと思っていますし、一度聴いたら覚えてしまう「蛙のガリアード」「エセックス伯のガリアード」「レディ・ハンスドンのパフ」などは”クラシックは難しい”などと構える必要のない平易な語り口です。ダウランドの旋律美は、こうした快活な曲では透明感に転嫁されてとても気持ちの良い世界へ誘ってくれます。

ダウランド関連のアルバムはいろいろとリリースされていますが、やはりギタリストとしては、リュート独奏作品の全集や選集がおすすめです。 ここはオワゾリールの企画した名手5人による盤を入口としてご紹介します。

装飾音に行間を感じさせる古の響きアントニー・ベイルズ
ノーブルな歌が心地よいヤコブ・リンドバーグ
澄み切った表現と技巧が冴えわたるナイジェル・ノース
素朴で太い美音が美しいクリストファー・ウィルソン
旋律美に頼らず重厚な音楽を造りあげるアントニー・ルーリー

それぞれの味わい、その違いが楽しめる好盤と言えるでしょう。
もちろん彼らは皆第一人者と言える大御所ですが、気に入った演奏、曲を見つけてから他のアルバムへ広がっていくと更に楽しいと思います。

ソロギターを演奏、作曲する愛好家の方々にも、ぜひ聴いてほしい音楽です。
撥弦楽器1本で曲を紡ぐ楽しさ。それを数百年前も今も変わらないことを教えてくれます。

John Dowland





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伊藤賢一 http://kenichi-ito.com

1975年東京都新宿区生まれ 1994年 ギター専門学校(財)国際新堀芸術学院入学。
1998年(財)国際新堀芸術学院卒業。以後ソロ活動へ。
2001年フィンガーピッッキングデイ出場、チャレンジ賞獲得。
2001年1stアルバム「String Man」リリース。
2002年2ndアルバム「Slow」リリース。
2007年3rdアルバム「海流」リリース。
2010年4thアルバム「かざぐるま」リリース。
2012年5thアルバム「Tree of Life」リリース。
2013年ライブアルバム「リラ冷え街から」リリース。
2015年初のギターデュオアルバム『LAST TRAP/小川倫生&伊藤賢一』をリリース。
2016年田野崎文(Vo)三好紅( Viora)とのトリオtri tonicaのアルバム「alba」リリース。
2017年6thアルバム「Another Frame」リリース。
2018年三好紅(Viora)とのデュオIndigo Noteのアルバム「Can Sing」リリース。

伊藤賢一

【2022年3月1日】

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