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伊藤賢一雑感コラム ギター路地裏


第55回 この一枚を聴く Led Zeppelin「Physical Graffiti」

アコースティック・ギター・ワールド読者の皆さま明けましておめでとうございます!
ギタリストの伊藤賢一です。
本年もアコースティック・ギター・ワールド誌、及びこのコラムをどうぞよろしくお願いいたします。
今回は説明の必要のないほどのハードロックの金字塔を紹介したいと思います。

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レッド・ツェッペリンの最高作としてしばしば評価される名作「フィジカル・グラ フィティ」。
語り尽くされたアルバムですが、良い作品はどれだけ褒めても足りると言うことはありません。私も目一杯思いを述べてみたいと思います。

とは言え、ツェッペリン(ZEP)の最高作は何かと問われた時に、私はなかなか即答できないのです。
ZEPは早くから、シングルのヒット曲路線ではなく「アルバム」1本で勝負するバンドでした。結果1作目からほとんど全てが歴史に残る名作。個人的には「II」を推したいのですが、プラントのヴォーカルを聴き込みたい時には「III」を手に取りますし、アルバムのドラマ性を味わいたい時には「IV」を、少し疲れている時には 「聖なる館」を、あとはミーハー的にペイジのアーミングを聴きたい時には「プレゼンス」を、という様に魅力が多岐にわたり、そこに溶け込む感情の数もまた多岐にわたる、モンスターバンドならではの現象が起こるのです。

ではこの「フィジカル・グラフィティ」の魅力とは?
ただでさえ2枚組のボリュームで、楽曲のバリエーションも豊富ですが、私には一貫したものを感じます。
かなり主観的な見方になりますが、それは「ヴォーカルパートの機能の変化」です。

ヴォーカル=歌詞を担当し、主旋律を司るもの。
というのが一般的な認識ですが、このアルバムを聴くとどうも歌が中心として機能していない気がします。
ギターの強烈なリフとリズム隊が対位法的に絡んだアンサンブル。そこにヴォーカルも合奏の「一声部」として絡むようになったのがこのアルバムなのだと感じます。ZEPは割と初期からそうした一般論的なヴォーカルの立ち位置を壊してきましたが、このアルバムに来ていよいよ大胆に作り込んできた、という感があります。
簡単に言えば、メロディらしいメロディを歌わなく(作らなく)なったわけです。
そういう耳でこのアルバムを聴くと、全てのパートの「ヤバさ」が際立ってきます。

一例を挙げると「The Rover」。
ここではヴォーカルは完全にギターリフの合いの手として機能しているのがわかります。 Aパートではギターパートと並走する声部として、Bパートではギター呼応するコール&レスポンス形式の対位法として、それぞれ役割を果たしています。この曲をメ ロディアスと感じて味わうことはありませんが、全てのパートが活きているので全体を浴びるように何度も聴きたくなる。
「歌と演奏」ではなく、ヴォーカルを含めたバンドサウンドとしての、こうしたソングライティング法が徹底された画期的なアルバムだと思います。

ZEPはクラシカルな要素で語られることは少ないバンドですが、こうしたパートの活かし方やブルースの解釈の拡張のしかたなどは、当時のどのユニットよりもクラシカルな、クレバーな視点だと思います。
「クラシカルな旋律」を取り入れるハードロックは当時も以降もたくさん出てきますが、そうした音楽とは全く別角度から、「構築力」で確立させた様式美を体現した、やはり唯一無二のモンスター。それがLed Zeppelinなのでしょう。

Physical Graffiti


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伊藤賢一 http://kenichi-ito.com

1975年東京都新宿区生まれ 1994年 ギター専門学校(財)国際新堀芸術学院入学。
1998年(財)国際新堀芸術学院卒業。以後ソロ活動へ。
2001年フィンガーピッッキングデイ出場、チャレンジ賞獲得。
2001年1stアルバム「String Man」リリース。
2002年2ndアルバム「Slow」リリース。
2007年3rdアルバム「海流」リリース。
2010年4thアルバム「かざぐるま」リリース。
2012年5thアルバム「Tree of Life」リリース。
2013年ライブアルバム「リラ冷え街から」リリース。
2015年初のギターデュオアルバム『LAST TRAP/小川倫生&伊藤賢一』をリリース。
2016年田野崎文(Vo)三好紅( Viora)とのトリオtri tonicaのアルバム「alba」リリース。
2017年6thアルバム「Another Frame」リリース。
2018年三好紅(Viora)とのデュオIndigo Noteのアルバム「Can Sing」リリース。

伊藤賢一

【2024年1月4日】

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